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88星座図鑑
国際天文学連合(IAU)が1922年に定めた88星座。神話・由来・見つけ方・主な星をひとつずつ解説します。季節ごとに探してみてください。
冬
いっかくじゅう座
Monoceros — オリオン座とおおいぬ座の間を駆ける一角獣。17世紀に生まれた、伝説の生き物の星座。
うさぎ座
Lepus — オリオンの足元に潜む野ウサギ。狩人と猟犬に追われる、冬の空の小さな逃亡者。
エリダヌス座
Eridanus — 太陽の御者パエトンの悲劇を伝える、天球を長く蛇行する大河。
おうし座
Taurus — 怒れる雄牛の顔。赤い目玉ちゃんアルデバランと、肩に群れるプレアデス星団。
おおいぬ座
Canis Major — オリオンが連れる猟犬。全天で最も明るい恒星シリウスを胸に抱く。
オリオン座
Orion — 冬の夜空を代表する星座。三ツ星を挟んで、2つの1等星が対角に輝く狩人の姿。
ぎょしゃ座
Auriga — 山羊を肩に抱く御者。冬の空に五角形を描く、黄金に輝くカペラの星座。
こいぬ座
Canis Minor — オリオンのもう一匹の犬。星は2つだけの小さな星座に、明るい1等星プロキオン。
ちょうこくぐ座
Caelum — 彫刻家の道具箱から取り出された、小さなノミ(彫刻刀)。全88星座中2番目に小さい星座の一つ。
はと座
Columba — 大洪水の後、陸地を見つけ出したハト。ノアの方舟の伝承が16世紀に星座となった。
ふたご座
Gemini — 仲良く並んで輝く双子の頭、カストルとポルックス。固い絆で結ばれた兄弟の物語。
やまねこ座
Lynx — 「見つけられるものなら見つけてみろ」——命名者自身が挑発した、山猫の目を持つ暗い星座。
春
うしかい座
Bootes — 北斗七星を追い立てる牛飼い。オレンジ色の1等星アルクトゥールスを従える春の星座。
うみへび座
Hydra — 全天最大の星座。九つの頭を持つ怪物ヒュドラが、空を横断する長大な体で今も横たわる。
おおぐま座
Ursa Major — 北天を巡る大熊。柄杓の形で知られる北斗七星を含む、周極星の代表格。
おとめ座
Virgo — 麦の穂を手にした豊穣の女神。黄道十二星座で最も広く、春の夜空を彩る乙女。
かに座
Cancer — ヘラクレスの足元で潰されたカニ。目立つ星は少ないが、蜂の巣星団を抱く黄道十二星座。
かみのけ座
Coma Berenices — 王妃が女神に捧げた美しい髪。星団がきらめく、実在した女性の名を冠する唯一の星座。
からす座
Corvus — 嘘をついて罰せられたカラス。うみへび座の背に留まり、永遠に水瓶を突き続ける。
こぐま座
Ursa Minor — 夜空の不動の中心、北極星を尾の先に持つ小熊。すべての星が回る軸。
こじし座
Leo Minor — しし座の背後を歩く、名を与えられなかった小さな獅子。17世紀の星座整理で生まれた。
コップ座
Crater — 太陽神アポロンの水瓶。嘘つきなカラスが永遠に手を届かせられない、渇きの器。
しし座
Leo — ヘラクレスの最初の試練、ネメアの獅子。「?」を裏返した形の頭部が目印の春の星座。
りょうけん座
Canes Venatici — うしかい座が連れる2匹の猟犬。17世紀に生まれた、比較的新しい星座。
ろくぶんぎ座
Sextans — 天文学者ヘヴェリウスの観測器具そのものが星座に。火事で失われた道具を悼んで設定された。
夏
いて座
Sagittarius — 弓を引き絞る半人半馬の射手。銀河系の中心方向を指す、天の川最濃部の星座。
いるか座
Delphinus — 海神の求婚を取り持ったイルカ。小さいながら菱形が際立つ、夏の空の名脇役。
かんむり座
Corona Borealis — 見捨てられた王女に贈られた黄金の冠。半円形の宝石箱が、うしかい座のそばで輝く。
けんびきょう座
Microscopium — 肉眼では見えないミクロの世界を覗く顕微鏡。ラカーユが刻んだ、科学者の探究心。
こうま座
Equuleus — 馬の頭だけが描かれる、全天2番目に小さな星座。ペガススの兄弟とされる小さな天馬。
こぎつね座
Vulpecula — 17世紀に生まれた、口にガチョウをくわえるキツネ。神話を持たない近代星座の代表例。
こと座
Lyra — 冥界からも音色で心を動かした、詩人オルフェウスの竪琴。夏の夜空で最も明るい星ベガを抱く。
さいだん座
Ara — 神々がティタン族との決戦を誓った祭壇。天の川の中で香煙のごとく輝く古代星座。
さそり座
Scorpius — 巨人オリオンを倒した毒サソリ。真っ赤な心臓アンタレスを持つ、夏の南天最大の星座。
たて座
Scutum — ポーランド王を称えて空に掲げられた盾。天の川の中でひときわ星が密集する一角。
てんびん座
Libra — 正義の女神が掲げる天秤。黄道十二星座で唯一、生き物ではない道具を象る星座。
はくちょう座
Cygnus — 翼を広げて天の川を渡る白鳥。「北十字」の別名を持つ、夏の夜空の名脇役。
へびつかい座
Ophiuchus — 大蛇を素手で操る名医アスクレピオス。死者すら蘇らせた腕を持つ、13番目の黄道星座。
へび座
Serpens — 全88星座で唯一、頭と尾に分断された大蛇。名医アスクレピオスに巻きつく、再生の象徴。
ヘルクレス座
Hercules — 全88星座随一の英雄。逆さまに膝をつく姿で、無数の功業を成し遂げた力の象徴。
ぼうえんきょう座
Telescopium — 宇宙の彼方を覗く望遠鏡そのもの。ガリレオの発明を称え、ラカーユが空に刻んだ。
みなみのかんむり座
Corona Australis — いて座の足元に置かれた、酒神ディオニュソスゆかりの南の冠。北のかんむり座と対をなす。
やぎ座
Capricornus — 半分は魚、半分は山羊。怪物の襲撃から逃げる途中で姿が入り混じった、牧神の変身譚。
や座
Sagitta — ヘラクレスが放った一本の矢。全天3番目に小さい星座が、わし座のそばに横たわる。
りゅう座
Draco — 黄金の林檎を守る不眠の竜。北極星の周りを大きく取り巻く、かつての北極星の主。
わし座
Aquila — 最高神ゼウスの雷霆を運ぶ聖なる鷲。七夕伝説の彦星アルタイルを翼に抱く。
秋
アンドロメダ座
Andromeda — 岩に鎖でつながれた王女の姿。肉眼で見える最遠の天体、アンドロメダ銀河を抱く星座。
うお座
Pisces — リボンで結ばれた2匹の魚。怪物から逃げる女神と息子が姿を変えた、黄道十二星座の最後。
おひつじ座
Aries — 黄金の毛皮を持つ聖なる牡羊。イアソンとアルゴ号の英雄譚の発端となった星座。
カシオペヤ座
Cassiopeia — 自慢の代償として空に縛られた王妃。W字形で北天に浮かぶ、慢心の物語。
きりん座
Camelopardalis — 17世紀に生まれたキリン。北の空の広い空白を埋める、目立たぬ長身の星座。
くじら座
Cetus — アンドロメダを脅かした海の怪物ケートス。実は不気味なクジラとしても親しまれる。
ケフェウス座
Cepheus — 娘を差し出さねばならなかった悲運の王。北極星のそばで家族を見守り続ける。
さんかく座
Triangulum — たった3つの星が描く、幾何学の女神デメテルに捧げられた三角形。シチリア島の象徴とも。
ちょうこくしつ座
Sculptor — 18世紀の彫刻家のアトリエが、そのまま夜空に。ラカーユの科学器具シリーズの一つ。
とかげ座
Lacerta — 17世紀に生まれた小さなトカゲ。ケフェウス座とはくちょう座の間を這う、神話を持たない星座。
ペガスス座
Pegasus — メデューサの血から生まれた天馬。「秋の四辺形」を体に持つ、秋の空の主役。
ペルセウス座
Perseus — メデューサの首を掲げる英雄。ペルセウス座流星群の輝く放射点を持つ、秋の星座。
みずがめ座
Aquarius — 神々に酒を注ぐ永遠の美少年。水瓶を傾け続ける、秋の星座随一の広さを持つ黄道星座。
みなみのうお座
Piscis Austrinus — みずがめ座の水を飲み続ける、秋の空でひときわ目立つ孤独な魚。
ろ座
Fornax — 化学者の炉が空に灯る。啓蒙時代の実験科学を象徴する、目立たぬ南天の星座。
南天(日本からはほぼ見えない)
インディアン座
Indus — 矢を手にした異国の民の姿。大航海時代、新大陸との出会いが夜空に刻まれた。
おおかみ座
Lupus — ケンタウルスに槍で狙われる獣。かつては名を持たず、ただ「けもの」と呼ばれていた星座。
がか座
Pictor — 画家のイーゼルと絵筆。ラカーユが自らの遠征記録を残すために刻んだ、創作の星座。
かじき座
Dorado — 黄金に輝く魚、シイラ。大マゼラン雲を抱く、南天の宝物庫のような星座。
カメレオン座
Chamaeleon — 天の南極のそば、じっと獲物を狙うカメレオン。大航海時代が見出した、変化自在の生き物。
きょしちょう座
Tucana — 大きなくちばしのオオハシ。小マゼラン雲を抱く、南天探検が生んだ異国の鳥。
くじゃく座
Pavo — 羽を広げるクジャク。ヘラの聖なる鳥が、大航海時代を経て南天に舞い降りた。
ケンタウルス座
Centaurus — 賢者ケイローンの半人半馬の姿。太陽系に最も近い恒星系を宿す、南天屈指の大星座。
コンパス座
Circinus — 円を描くコンパス(ディバイダー)。全天でも屈指の小ささで、ラカーユの製図器具を締めくくる。
じょうぎ座
Norma — 18世紀の測量士が使った直角定規。かつては「三角定規と定規座」と呼ばれた、小さな道具の星座。
つる座
Grus — 長い首をすっと伸ばす鶴。かつてはみなみのうおの一部だった、南天の優雅な星座。
テーブルさん座
Mensa — ラカーユ自身が観測した南アフリカの名峰、テーブルマウンテン。地上の山が空に映された唯一の星座。
とけい座
Horologium — 時を刻む振り子時計。18世紀の精密機械技術への驚きが、そのまま星座になった。
とびうお座
Volans — 水面を飛び跳ねるトビウオ。カジキに追われる姿を、大航海時代の船乗りが空に見た。
とも座
Puppis — アルゴ船の船尾。数々の航海の記憶を積んだまま、冬の南天を漂う旧アルゴ座の一片。
はえ座
Musca — みなみじゅうじ座のすぐそばを飛ぶ一匹のハエ。小さいながら南天航海の目印となった星座。
はちぶんぎ座
Octans — 天の南極そのものを抱く八分儀座。北極星のない南半球の代わりを託された、地味な星座。
ふうちょう座
Apus — 極楽鳥(風鳥)の姿。ニューギニアの珍鳥への驚きが、天の南極近くに刻まれた。
ほうおう座
Phoenix — 灰の中から蘇る不死の鳥。大航海時代の南天探検が生んだ、再生の象徴。
ポンプ座
Antlia — 18世紀フランスの科学熱が生んだ空気ポンプ。ラカーユが並べた「実験器具シリーズ」の一つ。
ほ座
Vela — アルゴ船の帆。風を受けて航海を支えた、南天に広がる旧アルゴ座の一片。
みずへび座
Hydrus — うみへび座とは無関係の、天の南極付近を這う小さな水蛇。全88星座中最も暗い部類。
みなみじゅうじ座
Crux — 全天でもっとも小さい星座にして、南半球の旅人たちが命を預けた道しるべ。
みなみのさんかく座
Triangulum Australe — 南天にもうひとつの三角形。かみのけ座と違い、幾何学の純粋な美しさだけを表す。
らしんばん座
Pyxis — アルゴ船の舵取りを支えた羅針盤。かつての巨大な「アルゴ座」から切り出された一片。
りゅうこつ座
Carina — アルゴ船の竜骨。かつて全天最大だった星座から生まれた、全天2番目に明るい星カノープスを持つ。
レチクル座
Reticulum — 望遠鏡の十字線。恒星の位置を正確に測るための装置が、そのまま星座になった。
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