ポーランド王を称えて空に掲げられた盾。天の川の中でひときわ星が密集する一角。
| 略符 | Sct |
|---|---|
| 学名・属格 | Scutum / Scuti |
| 設定者 | ヨハネス・ヘヴェリウスが1684年に新設(ポーランド王ヤン3世ソビエスキの記念) |
| 見ごろの季節 | 夏(8月ごろ21時に南中、南の低空) |
| 最も明るい星 | 「たて座スタークラウド」と呼ばれる、天の川の中でも特に星が密集する一帯を含む |
たて座は、古代の神話には登場しない、比較的新しい星座です。1684年、ポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスが、当時のポーランド王ヤン3世ソビエスキがオスマン帝国軍からウィーンを守り抜いた「ウィーンの戦い(1683年)」での勝利を称えるために新設しました。当初は「ソビエスキの盾」という名で呼ばれ、王の紋章にちなんだ盾の意匠が星座の姿として描かれていました。現在では単に「たて座」という短い名前で呼ばれていますが、これは全88星座の中で唯一、特定の実在の君主を記念して作られた星座です。
神話的な物語という点では他の多くの星座に比べて背景は薄いものの、たて座が位置する天球上の場所そのものには、非常に豊かな見どころがあります。この星座はいて座とわし座の間、天の川銀河の中心方向に近い一帯に位置しており、肉眼でもひときわ星の密度が高く、明るく輝いて見える領域として知られています。この一帯は「たて座スタークラウド」と呼ばれ、双眼鏡で眺めると無数の星がびっしりと敷き詰められたように輝く、天の川観察のハイライトのひとつとなっています。
| バイエル符号 | 星名 | 等級 |
|---|---|---|
| α | α Sct | 3.9 |
| β | β Sct | 4.2 |
| γ | γ Sct | 4.7 |
| δ | δ Sct | 4.7 |
夏の星座で、いて座とわし座の間、7月〜8月ごろの夜、南の空の低い位置に見つけやすくなります。目立つ明るい星はありませんが、暗い夜空でこの一帯を眺めると、天の川の中でも特に星が密集して明るく見える領域(たて座スタークラウド)に気づくはずです。双眼鏡を使うと、その密集ぶりがさらによく分かります。まずわし座のアルタイルを見つけ、そこから南西(いて座の方向)へ視線を移すのが確実な探し方です。
わし座 / さいだん座 / やぎ座 / みなみのかんむり座 / かんむり座