太陽神アポロンの水瓶。嘘つきなカラスが永遠に手を届かせられない、渇きの器。
| 略符 | Crt |
|---|---|
| 学名・属格 | Crater / Crateris |
| 設定者 | プトレマイオス48星座(古代ギリシャ) |
| 見ごろの季節 | 春(4月ごろ21時に南中) |
| 最も明るい星 | 特に明るい星はなく、隣のからす座を目印に位置を特定するのが確実 |
コップ座は、からす座の物語と対になって語られる、太陽神アポロンの水瓶(聖杯)の姿です。アポロンがカラスに水汲みを命じ、道中でイチジクの実が熟すのを待つためにカラスが任務をさぼった、という物語はからす座の項で語られる通りです。カラスは遅刻の言い訳として「うみへび座(大蛇)が水場をふさいでいた」と嘘をつき、証拠として大蛇を鷲づかみにして持ち帰りました。しかしアポロンはすべてを見抜いており、嘘をついた罰としてカラス・水瓶(コップ座)・大蛇(うみへび座)の三者を、天球上で決して交わることのない位置に縛りつけたと伝えられています。
水瓶そのものは、決してこぼれることのない神聖な器として、あるいは単にアポロンの日用の道具として、特に劇的な単独の物語を持つわけではありません。むしろこの星座の存在意義は、隣接するからす座・うみへび座と組み合わさって初めて完成する、一つの寓話の「小道具」としての役割にあります。3つの星座が織りなす配置そのものが、「嘘は必ず見抜かれ、相応の罰を受ける」という古代からの教訓を、夜空に刻み続けているのです。
| バイエル符号 | 星名 | 等級 |
|---|---|---|
| δ | δ Crt | 3.6 |
| α | Alkes | 4.1 |
| γ | γ Crt | 4.1 |
| β | β Crt | 4.5 |
| θ | θ Crt | 4.7 |
春の星座で、おとめ座とうみへび座の間、うみへび座の背の上あたり、4月〜5月ごろの夜に見つけやすくなります。目印は、隣接するからす座の四角形のすぐ西にある、やや控えめな星の集まり。単体では目立ちにくいため、まず目立つからす座の四角形を見つけ、そこから西へ視線を移すのが確実な探し方です。星座全体はうみへび座の長い体の上に、まるでちょこんと乗っているような位置関係にあります。
うしかい座 / かに座 / かみのけ座 / からす座 / りょうけん座