翼を広げて天の川を渡る白鳥。「北十字」の別名を持つ、夏の夜空の名脇役。
| 略符 | Cyg |
|---|---|
| 学名・属格 | Cygnus / Cygni |
| 設定者 | プトレマイオス48星座(古代ギリシャ) |
| 見ごろの季節 | 夏(8月ごろ21時に南中) |
| 最も明るい星 | デネブ(1等星)は「夏の大三角」の一角。実際の光度は太陽の20万倍を超える超巨星 |
はくちょう座には複数の異なる神話が伝わっています。もっとも有名なのは、最高神ゼウスがスパルタ王妃レダに近づくために白鳥へと姿を変えたという物語です。この逢瀬から生まれたのが、後にトロイア戦争の引き金となる絶世の美女ヘレネと、ふたご座になったカストルとポルックスだとされます。ゼウスは目的を果たした後、この白鳥の姿を記念として星座に上げたと伝えられています。
もうひとつ、より心を打つ伝承は、太陽神の息子パエトンとその親友キュクノスをめぐる物語です。パエトンが太陽の戦車を暴走させて墜落死した後(エリダヌス座の項を参照)、深い友情で結ばれていたキュクノスは、川に沈んだパエトンの亡骸を探し求めて何日も潜水を繰り返しました。その献身と嘆きに心動かされた神々は、彼を白鳥に変え、友を悼み続けられるよう天に上げたとされます。この伝承では、はくちょう座は「変わらぬ友情」の象徴として語られます。星座の姿は、翼を大きく広げ、天の川(銀河系の中を渡る川のように見える星の帯)に沿って北へ飛んでいく姿として描かれ、「北十字」の別名でも親しまれています。
| バイエル符号 | 星名 | 等級 |
|---|---|---|
| α | デネブ | 1.3 |
| γ | サドル | 2.2 |
| ε | ε Cyg | 2.5 |
| δ | Al Fawaris | 2.9 |
| β¹ | アルビレオ | 3.1 |
夏の代表的な星座で、7月〜9月ごろの夜、頭上近くの高い位置に見つけやすくなります。目印はしっぽにあたる1等星デネブ。こと座のベガ、わし座のアルタイルと合わせて「夏の大三角」を形作る一角として、まず位置を特定するのが簡単です。デネブから体・翼にあたる星をたどると、大きな十字形が浮かび上がり、これが「北十字」と呼ばれる所以です。十字の頭側(くちばしの方向)には天の川が最も濃く見える一帯があり、暗い空では白鳥が銀河の中を飛んでいくような美しい光景が広がります。
こと座 / わし座 / りゅう座 / とかげ座 / こぎつね座
わし座 / さいだん座 / やぎ座 / みなみのかんむり座 / かんむり座