正義の女神が掲げる天秤。黄道十二星座で唯一、生き物ではない道具を象る星座。
| 略符 | Lib |
|---|---|
| 学名・属格 | Libra / Librae |
| 設定者 | 古代ローマ時代に独立星座として確立(元はさそり座の一部) |
| 見ごろの季節 | 夏(6月ごろ21時に南中) |
| 最も明るい星 | 主星の名前に「はさみ」の意味が残り、かつてさそり座の一部だった名残を伝える |
てんびん座は、正義と公正を司る女神アストライア(あるいはテミス)が手にする天秤の姿だと伝えられています。黄金時代、神々はまだ人間たちと共に地上で暮らしていましたが、人間社会が徐々に堕落し、争いと不正がはびこるようになると、ほとんどの神々は失望して天界へと去っていきました。それでもアストライアだけは最後まで地上に留まり、人間に正義と公正を説き続けましたが、ついに彼女もその努力に限界を感じ、地上を去って天へと昇っていきます。このとき彼女が手にしていた天秤——善悪や正邪を公平に計るための道具——が、そのまま星座として残されたと伝えられています。アストライア自身は、隣接するおとめ座の姿になったとする説が有力です。
興味深いことに、てんびん座は元々独立した星座ではなく、古代バビロニアや初期ギリシャの天文学では「さそり座のはさみ」の一部として扱われていました。実際、てんびん座の主な星の名前(ズベンエルゲヌビ=「南のはさみ」、ズベンエスカマリ=「北のはさみ」)には、今もその名残がはっきりと残っています。てんびん座が独立した星座として確立したのは古代ローマ時代のことで、黄道十二星座の中で唯一、人物でも動物でもない「道具」を象る星座となりました。
| バイエル符号 | 星名 | 等級 |
|---|---|---|
| β | Zubeneschamali | 2.6 |
| α² | ズベンエルゲヌビ | 2.8 |
| σ | Brachium | 3.3 |
| υ | υ Lib | 3.6 |
| τ | τ Lib | 3.7 |
夏の星座で、おとめ座とさそり座の間、6月〜7月ごろの夜に見つけやすくなります。目立つ1等星はなく、4つほどの星が緩やかな四角形(あるいは三角形に近い形)を作るのが目印です。すぐ東隣のさそり座との位置関係を意識すると見つけやすく、星の名前自体に「はさみ」の意味が残っていることからも、かつてさそり座の一部だった歴史がうかがえます。占星術の黄道十二星座のひとつとしても知られ、9月23日ごろから10月23日ごろに太陽がこの方向を通過します。
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