ヘラクレスの足元で潰されたカニ。目立つ星は少ないが、蜂の巣星団を抱く黄道十二星座。
| 略符 | Cnc |
|---|---|
| 学名・属格 | Cancer / Cancri |
| 設定者 | プトレマイオス48星座(古代ギリシャ) |
| 見ごろの季節 | 春(3月ごろ21時に南中) |
| 最も明るい星 | 明るい星はなく、中心の散開星団プレセペ(蜂の巣星団)が最大の見どころ |
かに座は、英雄ヘラクレスの2番目の功業、九つの頭を持つ怪物ヒュドラとの戦いにまつわる物語に登場します。ヘラクレスがヒュドラと死闘を繰り広げていたとき、女神ヘラ(ヘラクレスを目の敵にしていたゼウスの妻)は、戦いの行方を少しでもヘラクレスにとって不利にしようと、沼地から一匹の大きなカニを送り込みました。カニはヘラクレスの足に挟みつき、気をそらそうと試みます。しかしヘラクレスにとってこの程度の攻撃は取るに足らないものであり、彼は片足でカニをあっさりと踏みつぶしてしまいました。
体格でも力でも到底かなわない相手に、それでも命令に従って立ち向かったこの小さな勇気を哀れに思ったヘラは、カニの働きを称え、星座として天に上げることにしたと伝えられています。かに座が他の星座に比べて目立つ星をほとんど持たない、地味な姿をしているのは、この物語の「儚さ」を反映しているとも言われます。それでも、たとえ勝ち目がなくとも命じられた役目を果たそうとした点で、かに座は「小さな者の忠義」の象徴として語り継がれてきました。
| バイエル符号 | 星名 | 等級 |
|---|---|---|
| β | Altarf | 3.5 |
| δ | Asellus Australis | 3.9 |
| ι | ι Cnc | 4.0 |
| α | Acubens | 4.3 |
| γ | Asellus Borealis | 4.7 |
春の星座で、しし座とふたご座の間、2月〜4月ごろの夜に見つけやすくなります。目立つ明るい星がないため、単独で探すのは難しく、しし座の頭(ししの大鎌)とふたご座のカストル・ポルックスの中間あたりを目安に探すのがおすすめです。星座の中心付近には、肉眼でもぼんやりとした光の染みとして見える散開星団プレセペ(別名「蜂の巣星団」)があり、双眼鏡を使うとその名の通り、無数の星が蜂の巣のように群れている様子がよく分かります。暗い夜空でこそ本領を発揮する、隠れた見どころを持つ星座です。
しし座 / ふたご座 / こいぬ座 / うみへび座 / こじし座 / やまねこ座
うしかい座 / かみのけ座 / コップ座 / からす座 / りょうけん座