ヘラクレスが放った一本の矢。全天3番目に小さい星座が、わし座のそばに横たわる。
| 略符 | Sge |
|---|---|
| 学名・属格 | Sagitta / Sagittae |
| 設定者 | プトレマイオス48星座(古代ギリシャ) |
| 見ごろの季節 | 夏(8月ごろ21時に南中) |
| 最も明るい星 | 全88星座中3番目に小さい星座で、細長い矢の形が特徴 |
や座は、英雄ヘラクレスが放った矢の姿だと伝えられています。有力な伝承のひとつでは、ヘラクレスの6番目の功業「ステュムパーリデスの鳥退治」に登場する矢だとされます。ステュムパーリデスの鳥は、青銅の羽と鋭い爪、人を害する鳴き声を持つ、湖に群れる恐ろしい怪鳥の群れでした。ヘラクレスは女神アテナから授かった青銅の鳴子(がらがら)で鳥たちを一斉に飛び立たせ、空に舞い上がったところを弓矢で次々と射落としたと伝えられています。この物語で使われた矢の一本が、そのまま星座として天に残されたとされます。
別の伝承では、この矢はさらに壮大な物語、巨人アポロンによるキュクロプス(一つ目の巨人)殺しに関連づけられます。アポロンの息子アスクレピオス(へびつかい座)が死者を蘇らせる力を持つに至ったことに怒ったゼウスが、アスクレピオスに雷霆を与えたキュクロプスたちを罰として殺したところ、悲しんだアポロンが報復にこの矢を放ったという説です。いずれの物語においても、や座は「小さいながら鋭く、的確に射抜く」という矢そのものの性質を体現する星座として語られています。
| バイエル符号 | 星名 | 等級 |
|---|---|---|
| γ | γ Sge | 3.5 |
| δ | δ Sge | 3.8 |
| α | Sham | 4.4 |
| β | β Sge | 4.4 |
夏の星座で、わし座とはくちょう座の間、7月〜9月ごろの夜に見つけやすくなります。全天88星座の中で3番目に小さい星座であり、目立つ明るい星はありませんが、4つほどの暗い星が細長い矢の形にきれいに並んでいるのが特徴です。わし座のアルタイルから北の方向へ視線を移すと見つけやすく、天の川の中に埋もれるように位置しているため、暗い夜空での観察がおすすめです。
わし座 / さいだん座 / やぎ座 / みなみのかんむり座 / かんむり座