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おおかみ座(Lupus)

ケンタウルスに槍で狙われる獣。かつては名を持たず、ただ「けもの」と呼ばれていた星座。

おおかみ座の星図
略符Lup
学名・属格Lupus / Lupi
設定者プトレマイオス48星座(古代ギリシャ、当初は名を持たない「けもの」として記録)
見ごろの季節南天(日本からは南の低空にごくわずかに見える)
最も明るい星古代には具体的な動物名を持たず、単に「けもの」と呼ばれていた珍しい成立過程を持つ

神話・由来

おおかみ座は、隣接するケンタウルス座(賢者ケイローン)が槍で捕らえ、神々への生け贄として掲げている獣の姿だと伝えられています。興味深いことに、この星座は古代ギリシャの初期の記録では「おおかみ」という特定の動物としてではなく、単に「テリオン(けもの)」というあいまいな呼び名で扱われていました。つまり最初期の段階では、この星座が具体的に何の動物を表すのかは明確に定められておらず、ケンタウルスが儀式的な生け贄として何らかの野生動物を捧げている、という漠然とした構図だけが伝えられていたのです。

後の時代、特にローマ時代以降になって、この「けもの」は次第に「おおかみ」として具体的に解釈されるようになりました。これは、ローマ建国神話における聖なる牝狼(ロムルスとレムスを育てた狼)への敬意や、地中海世界における狼という動物への文化的な関心の高まりが影響したと考えられています。神話としての詳細な物語こそ乏しいものの、「名前が時代とともに定まっていった」という珍しい成立過程を持つ星座として、天文学史の中でしばしば紹介されます。

主な星

バイエル符号星名等級
αα Lup2.3
ββ Lup2.7
γγ Lup2.8
δδ Lup3.2
εε Lup3.4

見つけ方

南天の星座で、日本のほとんどの地域からは南の低空にわずかしか見えず、5月〜6月ごろの夜、南半球や低緯度地域でよく見られます。目立つ明るい星はいくつかありますが、日本からの観察は困難です。すぐ北隣のケンタウルス座を目印に、その南側(生け贄を捧げる方向)を探すのがおすすめです。オーストラリアや東南アジアの南部など、より南に位置する地域からの観察に適しています。

歴史的な星図で見るおおかみ座

おおかみ座のヘヴェリウス星図
Firmamentum Sobiescianum (1690), Johannes Hevelius — public domain

豆知識

実際の今夜の空でおおかみ座を探してみましょう。現在地と時刻から、今見えている本物の星空にこの星座を重ねて表示します。
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参考文献

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