全天でもっとも小さい星座にして、南半球の旅人たちが命を預けた道しるべ。
| 略符 | Cru |
|---|---|
| 学名・属格 | Crux / Crux |
| 設定者 | オーギュスタン・ロワイエが1679年に独立星座として発表 |
| 見ごろの季節 | 南天(4〜6月ごろ、南半球の宵の空で見やすい) |
| 最も明るい星 | 全88星座中もっとも面積が小さい星座で、1等星アクルックスを含む |
みなみじゅうじ座には、ギリシャ神話のような古代の物語はありません。もともと古代ギリシャの天文学者たちはこの4つの星を「ケンタウルス座の足」の一部とみなしており、独立した星座とは考えていませんでした。これらの星が独立した「十字架」として認識されるようになったのは、大航海時代にヨーロッパの船乗りたちが南半球まで航海するようになってからのことです。16世紀、南半球へ渡ったポルトガルやイタリアの航海者・探検家たちが、この明瞭な十字形の星の並びに気づき、航海日誌に記録し始めました。
南十字星は特にキリスト教徒の船乗りたちにとって特別な意味を持ちました。夜空に輝く十字架は、信仰の象徴であると同時に、南半球で自分の位置と方角を知るための実用的な道具でもあったのです。1679年、フランスの天文学者オーギュスタン・ロワイエがこの4星を正式に独立した星座として発表し、後に「みなみじゅうじ座」として国際天文学連合の88星座に組み込まれました。今日ではオーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、サモアなど、南半球の複数の国の国旗にこの星座が描かれており、南半球を象徴する星座として広く親しまれています。
| バイエル符号 | 星名 | 等級 |
|---|---|---|
| β | ミモザ | 1.3 |
| α¹ | アクルックス | 1.3 |
| γ | ガクルックス | 1.6 |
| δ | δ Cru | 2.8 |
みなみじゅうじ座は日本のほとんどの地域からは見ることができません(沖縄など南西諸島の一部で、初夏の未明にごく低く見えることがある程度)。オーストラリアやニュージーランド、東南アジアの南部などへ旅行した際は、南の空を探してみましょう。目印は4つの星が作る小さな十字形で、すぐ左側(東側)にはニセ十字と呼ばれるよく似た配置の星々があるため注意が必要です。本物の十字は偽物よりも一回り小さく、すぐそばに「宝石箱」と呼ばれる散開星団や、コールサックという星の少ない暗黒星雲を伴っています。十字の長い辺(アクルックスからガクルックスを結ぶ線)を約4.5倍延長すると、天の南極(南半球の空の回転の中心)のおおよその位置を知ることができ、これは北半球の北極星に代わる南半球の方位確認の手段として、今も航海や登山で使われています。
ポンプ座 / ふうちょう座 / りゅうこつ座 / ケンタウルス座 / カメレオン座