天文学者ヘヴェリウスの観測器具そのものが星座に。火事で失われた道具を悼んで設定された。
| 略符 | Sex |
|---|---|
| 学名・属格 | Sextans / Sextantis |
| 設定者 | ヨハネス・ヘヴェリウスが1687年に新設 |
| 見ごろの季節 | 春(4月ごろ21時に南中) |
| 最も明るい星 | 自身の観測器具・六分儀を記念した、天文学者自身の物語を持つ珍しい星座 |
ろくぶんぎ座は、他の多くの星座とは異なり、神話上の人物や動物ではなく、天文観測に使われる実際の器具「六分儀(セクスタント)」そのものを表す星座です。1687年、ポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスがこの星座を新設しましたが、その背景には彼自身の個人的な出来事が深く関わっています。ヘヴェリウスは望遠鏡が普及する以前の時代に、肉眼観測用の精密な六分儀を自ら製作し、これを使って数々の恒星の位置を正確に記録していました。しかし1679年、彼の観測所が火災に見舞われ、長年愛用してきた観測器具の多くが焼失してしまいます。
この喪失を悼み、また自らの観測人生を支えた道具への敬意を込めて、ヘヴェリウスは焼失した六分儀の姿を星座として天に刻むことにしたと伝えられています。壮大な神話を持たない代わりに、この星座は「科学者自身の情熱と喪失の記憶」を天に刻んだ、非常に個人的で象徴的な意味を持つ星座と言えます。こぎつね座、たて座、とかげ座、やまねこ座、こじし座などと同じく、ヘヴェリウスが手がけた「近代星座」群のひとつです。
| バイエル符号 | 星名 | 等級 |
|---|---|---|
| α | α Sex | 4.5 |
| γ | γ Sex | 5.0 |
| β | β Sex | 5.1 |
| δ | δ Sex | 5.2 |
春の星座で、しし座のすぐ南、うみへび座の頭の近く、3月〜4月ごろの夜に見つけやすくなります。目立つ明るい星はなく、全88星座の中でも特に見つけにくい星座のひとつです。しし座の1等星レグルスから南へ視線を移すと、うみへび座との間にこの星座の暗い領域が広がっています。光害のある空ではほとんど見分けがつかないため、暗い夜空での観察が必要です。
うしかい座 / かに座 / かみのけ座 / コップ座 / からす座