Draw Your Sky

ちょうこくしつ座(Sculptor)

18世紀の彫刻家のアトリエが、そのまま夜空に。ラカーユの科学器具シリーズの一つ。

ちょうこくしつ座の星図
略符Scl
学名・属格Sculptor / Sculptoris
設定者ニコラ=ルイ・ド・ラカーユが1750年代に新設
見ごろの季節秋(11月ごろ21時に南中、南の低空)
最も明るい星目立つ明るい星はなく、遠方銀河が多く観測される方向として知られる

神話・由来

ちょうこくしつ座は、神話上の存在ではなく、彫刻家が使う道具一式(彫刻台や工具)をかたどった星座です。1750年代、フランスの天文学者ニコラ=ルイ・ド・ラカーユが、南半球の空を観測するための遠征中に新たに設定しました。ラカーユは、古代ギリシャ・ローマの神話的な人物や動物ではなく、当時の啓蒙主義時代を象徴する芸術・科学・技術に関わる道具や施設を、意図的に星座名として選んだことで知られています。この星座もまさにその一環で、当初は「彫刻家のアトリエ(Apparatus Sculptoris)」という、より説明的な名前で呼ばれていました。

壮大な英雄譚や恋愛譚は一切持ちませんが、この星座の存在は、18世紀ヨーロッパにおける芸術と科学への強い関心、そして「人類の創造的な営みそのものを星座として残したい」というラカーユの独自の哲学を反映しています。神話の時代から科学と啓蒙の時代へと移り変わる、天文学史の転換点を象徴する星座のひとつと言えるでしょう。

主な星

バイエル符号星名等級
αα Scl4.3
ββ Scl4.4
γγ Scl4.4
δδ Scl4.6

見つけ方

秋の星座で、みなみのうお座とくじら座の間、10月〜11月ごろの夜、南の空の低い位置に見つけやすくなります。目立つ明るい星はなく、全88星座の中でも特に見つけにくい星座のひとつです。フォーマルハウト(みなみのうお座の1等星)を目印に、その東側の暗い領域を探すのがおすすめです。銀河系の外にある「ちょうこくしつ座銀河群」など、天文学的に興味深い遠方銀河が多く存在する方向でもあります。

歴史的な星図で見るちょうこくしつ座

ちょうこくしつ座のヘヴェリウス星図
South polar sky · Firmamentum Sobiescianum (1690), Johannes Hevelius — public domain

豆知識

実際の今夜の空でちょうこくしつ座を探してみましょう。現在地と時刻から、今見えている本物の星空にこの星座を重ねて表示します。
今夜の空でちょうこくしつ座を見る →

隣の星座

くじら座 / みなみのうお座 / みずがめ座 / ろ座 / ほうおう座

同じ季節の星座

アンドロメダ座 / みずがめ座 / おひつじ座 / きりん座 / カシオペヤ座

参考文献

次に読む

星空観察入門道具なしで今夜から始められる、星空観察の基本。 88星座図鑑すべての星座を季節別に一覧できます。