占いでおなじみの12星座は、全部が実在の星座です。ただし多くの人が知らない事実がひとつ——自分の星座は、誕生日の夜には見えません。その理由と、本当の見頃を解説します。
地球から見ると、太陽は1年かけて星空の中を一周するように動きます。この太陽の通り道を黄道といい、黄道上に並ぶ12の星座が「黄道十二星座」——つまり占いの12星座です。「おひつじ座生まれ」とは本来、生まれた日に太陽がおひつじ座の方向にあったという意味です。
ここで気づくはずです。誕生日には太陽が自分の星座に重なっている——ということは、自分の星座は太陽と一緒に昇って一緒に沈む。つまり昼の空にいて、夜には地平線の下です。
自分の星座がいちばんよく見えるのは、太陽が反対側に移動した誕生日の約半年前後。「誕生日プレゼントに自分の星座を見る」は叶いませんが、「半年前の夜空で自分の星座に会う」は毎年叶います。
夜の見やすい時間帯(20〜23時ごろ)に高く昇る時期の目安です。
| 星座 | 誕生日期間 | 見頃(夜空) | 目印 |
|---|---|---|---|
| おひつじ座 | 3/21〜4/19 | 12月 | 2等星ハマル。控えめな「く」の字。 |
| おうし座 | 4/20〜5/20 | 1月 | 赤い1等星アルデバランと、すばる(プレアデス星団)。 |
| ふたご座 | 5/21〜6/21 | 2月 | 仲良く並ぶカストルとポルックス。 |
| かに座 | 6/22〜7/22 | 3月 | 暗い星座。中央のプレセペ星団は暗い空なら肉眼で見える光のシミ。 |
| しし座 | 7/23〜8/22 | 4月 | 1等星レグルスと「?」を裏返した大鎌。 |
| おとめ座 | 8/23〜9/22 | 5月 | 1等星スピカ。春の大曲線の終点。 |
| てんびん座 | 9/23〜10/23 | 6月 | 3等星の三角形。さそり座の西隣。 |
| さそり座 | 10/24〜11/22 | 7月 | 赤い1等星アンタレスとS字カーブ。夏の南の空の主役。 |
| いて座 | 11/23〜12/21 | 8月 | 北斗七星に似た「南斗六星」。天の川の中心方向。 |
| やぎ座 | 12/22〜1/19 | 9月 | 逆三角形の輪郭。派手さはないが形は追いやすい。 |
| みずがめ座 | 1/20〜2/18 | 10月 | 「三ツ矢」型の小さな星の並びが目印。 |
| うお座 | 2/19〜3/20 | 11月 | 暗い星座。ペガスス座の四辺形の南東でV字を探す。 |
かに座・てんびん座・うお座など暗い星座は、都市部の空ではほぼ見えません。観察には空の暗い場所が必要です(光害マップの読み方)。
ときどき話題になる「本当は13星座」説。これは事実に基づいています。天文学上の星座の境界線で見ると、太陽はさそり座といて座の間で「へびつかい座」を通過します(11月末〜12月中旬ごろ)。しかも滞在日数は、さそり座よりへびつかい座の方がずっと長いのです。
それでも占いが12星座なのは、占星術の「星座(サイン)」が実際の星座の位置ではなく、春分点を起点に黄道を機械的に12等分した区画を使っているからです。さらに地球の自転軸のゆっくりした揺れ(歳差運動)によって、この区画と実際の星座は2000年かけて約1星座ぶんズレました。つまり占いの「おひつじ座」と夜空のおひつじ座は、もう同じ場所にありません。どちらが正しいという話ではなく、占星術と天文学は約2000年前に分岐した別の体系なのです。